2021.09.03UP     老後の暮らしはどんなもの?所得はどのようになっている?

老後の人生設計について検討する場合、お金のやりくりについてよく考えることが重要です。
そのためには、現在の高齢者の生活における収支を参考にするとよいでしょう。
今回は、公的なデータをもとに高齢者の所得について解説します。

高齢者になったら所得はどうなる?

高齢者の収入源は、働き盛りの人などとは大きな違いがあり、
このことは自身の老後について検討する際にも考慮しなければなりません。

厚生労働省が公表している厚生労働白書の令和2年版によると、
高齢者世帯の所得構成割合について以下のような調査結果が記載されています。

◇高齢者世帯の所得の構成割合(2019年)
・仕送り・企業年金・個人年金等・その他の所得 6.2%
・公的年金・恩給 63.6%
・財産所得 6.5%
・稼働所得 23.0%

このデータからも分かるとおり、高齢者の多くは公的年金・恩給(公務員向けの年金)を主な所得としています。

もちろん、高齢者になっても稼働所得を得ている人は決して少なくありません。
しかし、年齢を重ねるごとに病気などによって働けなくなる可能性が高くなることを考慮すると、
稼働所得だけをあてにするのはリスクが高いと考えたほうがよいでしょう。

公的年金100%で暮らしている人はどれくらいいる?

公的年金・恩給を主な所得としている高齢者は非常に多いですが、
全所得において公的年金・恩給が占める割合は、人によって違います。
このことに関して、2019年の国民生活基礎調査では、以下のような結果が公表されています。

◇公的年金・恩給が高齢者世帯の総所得に占める割合(2019年)
・20%未満 3.9%
・20~40%未満 8.1%
・40~60%未満 12.7%
・60~80%未満 14.5%
・80~100%未満 12.5%
・100% 48.4%

特筆すべきは、約半数の人が公的年金・恩給による所得のみで生活しているという点です。
このことから、高齢者になるとさまざまな事情から公的年金・恩給以外の所得を得るのが難しくなると予測されます。
そのため、将来的に公的年金・恩給の支給額が減額された場合、
現在の若い世代が高齢者になったときの生活水準は著しく下がることが懸念されるでしょう。

まとめ

高齢者になると、所得は公的年金・恩給頼みになる可能性が高く、年金制度の不安定さなども考慮すると、
将来のお金のやりくりに不安を感じるという方も多いでしょう。
このような不安を少しでも解消するために、将来に備えた投資や資産形成を今から始めるのがオススメです。