2022.06.14UP 働き続ける?それとも年金を貰う?
年金の繰り下げ受給の概要をチェック!

高年齢者雇用安定法が改正され、定年を70歳まで引き上げるなどの措置が企業の努力義務となっています。
しかし実際に定年後も働き続ける高齢者はどれくらいいるのでしょうか。
今回は、厚生労働省の調査に基づいて、高齢者の就業率とその変化、年金受給の方法の種類について解説します。

令和3年の高齢者の就業率

2021年に内閣府が出した「令和3年版高齢社会白書」によると、
2020年の年齢階級別の高齢者の就業率は10年前の2010年と比較して増加していることがわかります。

・60~64歳:+13.9ポイント
・65~69歳:+13.2ポイント
・70~74歳+10.5ポイント

いずれの世代でも仕事を続ける人が1割以上増えているのです。

60~64歳では、年金の支給が65歳以上になったことや、
再任用制度などが充実したことなどが影響しており、働き続ける人が71.0%と多数派です。
65~69歳以上になると、働き続けている人は半数を切り、70~74歳では3分の1になります。

健康寿命が延びたため健康上問題なく働ける人が増えたことも影響していますが、
老後資金への不安や生活費の不足などでやむなく働き続ける人も少なくありません。

繰り下げ受給で得になる人の特徴

現行の年金制度では、65歳から年金受給を始める仕組みになっています。
65歳より前に年金をもらうことを「繰り上げ支給」、
65歳より年金受給を先延ばしにすることを「繰り下げ支給」と言います。

繰り上げ支給では、繰り上げる期間1か月につき0.5%の年金額が減額され、
60歳0カ月まで繰り上げると30%減額となります。
つまり65歳で年金をもらえば月額9万円の支給だったものが繰り下げ支給をしたことで、
月額6万円になってしまうのです。

一方、繰り下げ受給では、繰り下げの手続きをした翌月から受け取る年金が1か月につき0.7%増額します。
70歳0か月まで繰り下げると42%の増額です。
月額10万円の支給だったものが14万2千円に増えることになります。

さらに年金改正法により、2022年4月からは75歳まで年金受給を繰り下げることができるようになりました。
働けるうちは繰り下げて給与所得で生活し、
働けなくなってからの年金受給額を増やすという選択ができるのです。

まとめ

老後の資金対策には、できるだけ長く働き続けて年金の繰り下げ受給をする方法があります。
急に働けなくなったときに備えて、不動産投資などで資産形成を行って副収入を作っておくと安心です。