2019.02.04UP 「平均寿命」は「平均余命」ではない?将来設計に関わる大きな誤解

不動産投資は将来設計とともに検討することが大切です。将来を見通す指針として平均寿命や平均余命というキーワードという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
ここでは「平均寿命」と「平均余命」の違い、そしてそれに関連した将来設計と投資のあり方を検討してみましょう。

●平均余命と平均寿命の違いとは

平均寿命はほとんどの方が、その意味を理解されていると思います。しかし平均余命となると即答できる方は少ないかもしれません。やや似た印象の二つの言葉ですが、その意味はかなり違います。
寿命とはその人間の一生の期間を指し、平均寿命とはその平均をいいます。ある特定の世代の平均寿命は、その世代全員の寿命の平均になります。
対して平均余命ですが、余命とはその人間のある時点から寿命がつきるまでの期間を指し、その平均が平均余命となります。
さらに補足すると、0歳の平均寿命が90歳であったとしても、80歳の平均余命が10歳にはなりません。なぜなら80歳未満で亡くなった人の分は平均余命の計算に入っていないからです。

●寿命が5年と10年では費用と収支にギャップがある

ここで寿命と将来設計について考えてみましょう。シミュレーションとしてひとつのモデルを想定します。
例えば現在60歳のサラリーマンを考えてみます。定年まで後5年ですが、ローン残高が700万あり毎月15万ずつ返済しているとします。65歳からは再就職で毎月15万円、年金が15万円の収入があります。
この条件で70歳までと75歳、そして80歳まで寿命があるケースを見てみます。
収入は毎年かわりませんが、費用はそれぞれ1,800万円、3,600万円、5,400万円かかります。そこから支出を引いた収支を考えると、老後を安心して過ごすための費用は70歳までだと800万円、75歳までだと1,700万円、80歳までは2,600万円となるのです。
このように寿命があるほど必要となるお金には大きなギャップが存在するわけです。

●老後資金で長期的・安定的なおすすめの投資

老後の資金を長期に渡って安定的に運用することのできる投資が、これからは必要となってきています。国内のインフレ率は日銀の金融緩和政策にも関わらずなかなか上がっていませんので、今後も運用として利用できる金利が上がることは期待できません。
将来的にも物価が安定していく方向性に変化はなく、安定した投資として不動産は確実性が高いといえます。なかでもワンルームマンションの需要は安定していますので、長期的に安定した収入源として魅力のある投資先と考えられます。