2018.06.22UP 「設備」に着目して不動産投資物件を選ぶ
投資用不動産の購入時にはどんなことに注意すべきでしょうか。特に設備面については投資家それぞれに独自の考えがあることと思います。購入決定する上では意見の分かれるおもしろい視点です。最近の入居者に人気の設備などもあわせて紹介していきます。
人気の設備は時代とともに変わっている
「全国賃貸住宅新聞」では毎年、人気設備ランキングを発表しています。これは管理会社へのアンケートをもとに入居者にどんな設備が人気なのかを調査し、ランキングにしているものです。直接入居者からの投票ではありませんが、賃貸客付けの現場にいる担当者からの意見が反映された結果です。一部を紹介すると以下のようになっています。
●単身者用物件で必須の設備条件 (2017年度)
1位 インターネット無料
2位 エントランスのオートロック
3位 宅配ボックス
4位 ホームセキュリティ
5位 ウォークインクローゼット・浴室換気乾燥機
●ファミリー向け物件で必須の設備条件 (2017年度)
1位 インターネット無料
2位 エントランスのオートロック
3位 追い炊き機能
4位 宅配ボックス
5位 システムキッチン
宅配の再配達有料化や、ドライバー・配達員の過剰労働によって、宅配ボックスの需要は高まっています。
改装費を考えると投資物件の設備優先順位はこうなる
ランキングで上位に現れてこない設備には「新築なら当たり前になっているもの」も多いということも注目すべきポイントです。あえて求められていない「イコール標準」になってきている設備もあるということです。
標準的レベルで考えたら、3点ユニット式のバスやタイル張りのお風呂の物件を手頃価格で購入し、このランキングにあるような設備をいくつか施しても入居付けは簡単にはいかないでしょう。
一般的に費用負担の大きい設備で考えると、以下のような例が考えられます。
・ タイル張りの風呂やバランス釜→ユニットバス
・ 瞬間湯沸かし器による給湯→3カ所給湯
・ バス、トイレ、洗面の3点ユニット→独立水回り
築年数が浅い、立地が良い、売り出し価格が安いといっても設備が上述3例のような物件の客付けには大変苦労することになるでしょう。設備ランキング以前の問題だからです。物件の設備状態を見る際には最低のラインを自分で決めて置かなくては、内覧時についつい軽視しがちになってしまいます。例えば、こういったものです。
・ もともとユニットバスであるところに追い炊き機能を付けることが可能
・ 独立した水回り部分の洗面化粧台だけを新調することで雰囲気が変わる
最低レベルの設備があり、利回りの許す範囲でグレードアップできる物件なのかを判断しなくてはいけません。
密かな人気、これから注目される今どき賃貸設備
水回りや電気の配線面で改装が必要だとどうしてもその費用がかさみます。そういった物件でも立地などの条件からどうしても購入したいと考える場合は、費用のかからない設備改装で差別化できるかどうかを検討しなくてはいけません。
いくらでも費用をかけられるのであれば、最新の人気設備を備えて満室にできるかもしれません。しかし多額の投資をしても満室高利回りを実現させなければ、賃貸経営は長続きできないでしょう。ポイントとなる設備面の状態は、物件購入時に最も熟考すべき要素であるといえます。