2023.10.13UP     気候変動問題の解決に取り組む!
投資家が注目する気候テックとは?

環境問題の解決に取り組んでいる「気候テック」をご存じでしょうか。
世界的にSDGsへの関心が高まる中、気候テックは投資家が注目しており、
これから市場拡大が期待されている技術です。
ここでは、地球の気候の現状や気候テックの概要や、市場についてご紹介します。

人間活動による気温変化のデータと温暖化の原因について

IPCCは2021年8月に「第6次評価報告書」を公表し、「人類が大気や海洋、陸域を
温暖化させてきたことに疑う余地はない」と結論付けました。

IPCCとは「気候変動に関する政府間パネル」の略で、人間による気候変化への影響や、
気候変動を緩和する方策などに関して、さまざまな見地からの評価を提供する組織です。

報告書が示す地球の気候における現状として、気象庁「策決定者向け要約(SPM)」
(2022年12月22日版)より以下の点が挙げられます。

・2019年の大気中の二酸化炭素濃度は、過去200万年のどの時点よりも高かった
・世界の平均気温は、1970年以降少なくとも過去 2000年間にわたって経験したことのない速度で上昇している
・2011~2020年の北極域の年平均海氷面積は、少なくとも1850年以降で最小規模に達した
・世界平均海面水位は、1900年以降少なくとも過去 3000年間のどの百年間よりも急速に上昇している

報告書では地球の気候の現状をデータも交えて具体的に示しており、
気候変動問題への迅速な対応が求められていると言えるでしょう。

気候テックの市場規模と今後

気候テックとは、温室効果ガスの排出量削減や地球温暖化対策など、気候変動に対応する技術のことです。
具体的には、以下3つのグループに分けられます。
・緩和:温室効果ガスを削減するなど、気候変動を緩和させる技術
・適応:気候変化に適応するための技術
・理解:気候問題への理解を深める技術

上述したIPCCの報告書を受けて、気候テックの市場規模は急成長を遂げています。
世界4大会計事務所のひとつPwCが公開した「2021年版気候テックの現状」によれば、
2021年上半期の気候テックへの投資額は600億米ドルを超え、過去最高額を記録しました。

今後の予測として、気候テックのユニコーン企業は78社存在すると分析されており、
今後も市場の成長は継続する可能性は高いでしょう。

実用化が見込まれる分野に多くの投資が流れる傾向にあり、
技術が成熟していない分野では資金不足になっているのが実情です。
全ての分野に、いかに資金が行き渡るようにするかが今後の課題かもしれません。

まとめ

IPCCが公表した「第6次評価報告書」では、地球の気候変動問題の原因は人間にあり、
人類の課題として迅速な対応が必要だとしています。これを受けて、温室効果ガスの
排出量削減や地球温暖化に取り組む「気候テック」の市場規模は急激に拡大しました。

気候テックへの投資は、間接的に気候変動問題の解決に役立ちます。
資産形成のひとつに、気候テックに投資も考えてみてはいかがでしょうか。