2024.03.12UP 不動産投資の利回り相場や種類について解説!
計算方法なども紹介!

不動産投資に興味を持ちはじめたけど、利回りが難しくてよくわからないと感じる方もいるでしょう。
「利回りに種類があるのはわかるけど、違いがわからない」
「どれくらいの利回りがあればよいかわからない」
この記事では不動産投資を始めたい方に向けて、利回りの見方や地域別の相場をわかりやすく解説しています。
また、利回りの計算方法や簡単に計算できるアプリも紹介します。
利回りの意味や相場がわかれば投資物件の選び方にも役立ちますので、ぜひ参考にしてみてください。

不動産投資の利回りの種類

投資物件サイトや不動産会社が紹介する物件では、単に利回りとは書かれておらず○○利回りとなっているかと思います。
利回りは種類に応じて意味や数値が全く異なるので注意が必要です。
不動産投資の利回りは物件を選ぶうえで重要な判断材料ですから、利回りを勘違いして損しないようにしましょう。
利回りは用途によって大きく三種類に分かれるので一つずつ紹介していきます。

表面利回り

表面利回りは物件価格に対する現在の年間家賃収入の割合です。
不動産投資の利回りは割合が大きいほど投資金額に対するリターンが大きくなるため、
家賃収入が増加するか物件価格が下がればさらに大きくなります。

現在の家賃収入を反映するので、一棟所有なら全戸、区分所有なら一戸の入居状況を加味します。
表面利回りは次の計算式で算出できます。
■表面利回り(%)=現状の年間家賃収入÷物件価格(税込)×100

投資物件サイトや不動産会社では表面利回りが使われることが多いです。
投資物件の価値を判断するときに、家賃収入に対して物件価格が適切かどうかの参考にできます。

想定利回り

想定利回りは物件価格に対する最大年間家賃収入の割合です。
表面利回りとの違いは想定される最大の収入で算出するところにあります。
つまり、年間を通して全戸数が満室であると想定して、得られる最大の収入を反映します。

新築物件でまだ入居者がついていない場合は想定利回りを使うことがあります。
また、入居状況を反映する必要がなく計算も簡単なため、表面利回りよりも採用しやすいです。

想定利回りは次の計算式で算出できます。
■想定利回り(%)=満室時の年間家賃収入÷物件価格(税込)×100

家賃収入が大きくなるため表面利回りよりも高くなりますが、
実際に得られる収入とは離れているので比較のための情報と割り切って参照するようにしましょう。

実質利回り

実質利回りは投資金額に対する実際の収入の割合です。
不動産投資では物件購入費用だけでなく管理費、修繕費、その他税金などの運用コストもかかります。
家賃収入が大きくても支出金額によっては実質的な収入がほとんどなくなることもあるでしょう。
そこで、物件購入やその後の運用でかかる費用をすべて反映したものが実質利回りです。

実質利回りは次の計算式で算出できます。
■実質利回り(%)=(現状の年間家賃収入ー年間諸経費)÷(物件価格(税込)+購入時諸経費)

表面利回りや想定利回りと違って現実に近い収入金額の把握が可能です。
実質利回りが載っている場合は、どの費用が含まれているか、費用の漏れがないかを確認しましょう。

不動産投資の利回り相場はどのくらい?地域別に紹介

続いては、実際にどれくらいの利回りの物件が売買されているか見ていきましょう。
地域別に表面利回りの相場を紹介します。

全国の相場は7~8%ほどですが、地域別でみると6.5~15.8%となり幅があります。
利回りの相場は、全国で7~8%ほどで、地域によっては6~15%と振れ幅が大きくなる傾向にあります。
地域ごとに人口の大小が異なり、入居率や家賃相場も違うため利回りも変わってきます。
そのため、利回りは首都圏よりも地方が高くなる傾向です。

また、築古の物件ほど利回りが高くなる傾向にあり、築年数を見ることも重要です。
投資物件の利回りを見るときは地域、築年数が大きく影響することを覚えておきましょう。

不動産投資の利回りの理想は?

投資物件の利回り相場を紹介しましたが、実際に運用するときにどれくらいの利回りがあれば
理想なのかはまだ見えていないかと思います。
投資した金額を回収するには利回り5%で20年、利回り10%で10年かかる計算ですが、
実際にはどのくらいが理想なのでしょうか。
ただし、投資物件サイトなどの利回りは支出を含まない表面利回りや想定利回りであることが多いため、
単に利回り5%の物件を探しても実質的な利回りはもっと下がるでしょう。

また、家賃収入は毎年一定とは限らず状況によって低下することもあります。
例えば、予定していた家賃収入から年間費用や入居率低下で想定の半分になると利回りも半減です。
これらの要因を考慮して物件を選ぶようにしましょう。

不動産投資の利回り計算方法を紹介!

不動産投資では掲載された利回りを見るだけでなく、自分の状況に合わせて算出することも必要です。
特に表面利回りと実質利回りは結果がまったく異なるので、
利回り計算のおさらいに実際の過程を紹介しながら結果の違いを解説します。
また、利回り計算に便利なアプリも紹介していますので活用してみてください。

表面利回りや実質利回りの計算方法

以下の物件を想定して表面利回りと実質利回りを計算してみましょう。
・物件購入価格1,400万円
・年間の家賃収入110万円(賃料10万円、区分マンション1戸、11ヵ月入居)
・購入時諸経費200万円
・年間諸費用24万円(月間2万円×12ヵ月)
利回りの種類で紹介した計算式に当てはめて計算してみます。

■表面利回り
現状の年間家賃収入÷物件価格(税込)×100=110万÷1,400万円×100=7.85%
■実質利回り
(現状の年間家賃収入ー年間諸経費)÷(物件価格(税込)+購入時諸経費)
=(110万円-24万円)÷(1,400万円+200万円)×100
=86万円/1,200万円=5.37%

利回りの差は2.48%になり、経費が考慮されるとまったく違う結果になることがわかるかと思います。
経費の見積もりが難しいかもしれませんが、計算自体は簡単なので試してみてください。

利回りの計算は消費税込み?

結論からいえば、詳細な収支を把握するためにも利回りの計算に消費税を含めたほうがよいでしょう。
投資物件サイトや不動産会社によりますが、掲載されている利回りも消費税込みのほうが多いです。

例えば、投資物件サイトの健美家の利回りには消費税込みの物件価格が反映されています。
買い手側からすると消費税抜きで計算するメリットはないので、
現実的な値を見るためにも税金を含めた利回りを計算しましょう。

ただし、土地の購入価格や売り主が不動産会社でない場合など消費税がかからないケースもあります。
消費税に限らず必要な税金はすべて含めて計算するようにしましょう。

おすすめな利回り計算シミュレーションアプリも紹介

最後は利回りを簡単に計算できる不動産投資用のアプリを二つ紹介します。

■楽待アプリ https://www.rakumachi.jp/lp/apps/rakumachi/
投資物件サイトである楽待のアプリ版です。
利回り計算や収支の確認が可能で、会員登録すると長期の収支シミュレーション結果を見れるようになります。
また、楽待の投資物件を見たり、不動産投資コラムや解説記事を読んだりでき、スキマ時間に活用できるアプリです。

■不動産投資シミュレータ https://play.google.com/store/apps/details?id=net.fctry.android.rimawarisimulator
諸費用や借入金を含めた利回り計算が可能で、返済金額や期間などもシミュレーションができます。
また、計算結果は保存が可能です。

まとめ

この記事では利回りの種類や地域別の相場を紹介しました。
投資物件サイトでは表面利回り、想定利回りが使われることが多いですが、
実際の収支を確認したい場合は実質利回りを計算したほうがよいでしょう。

また、表面利回りの相場は全国で7~8%ほど(マンション、アパートの場合)で、
実際の運用では3.8~5.2%の利回りが妥当とされているようです。
実質利回りの算出には初期費用、運用にかかる費用、税金などを洗い出すのが大変ですが、
アプリやツールを活用することでおおまかに把握できます。

ここで紹介した利回りは初歩的な内容なので、理解を深めるためにも投資物件サイトなどで
実際の利回りを見て感覚をつかんでみてください。