2024.02.06UP 東京のマンション投資の利回りはどのくらい?理想や目安なども解説!

マンション投資における利回りは、投資金額をどのくらいで回収できるかがわかるため、物件選びの重要な指標になります。
利回りは高いほど回収期間が短くなるので人気が高そうに思えますが、低い利回りの物件でも売買は盛んです。
特に東京では、地方に比べて低利回りになる傾向があり、都心部や市部で差があります。
この記事では、東京のマンション投資の利回りがどれくらいの相場になるか、さらに利回りの理想や目安になる考え方を紹介します。
投資サイトなどで利回りを比べるときの指標になりますので、投資初心者の方や東京都内で物件購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

東京のマンション投資の利回り相場はどのくらい?

東京のマンション投資の利回りは4~9%前後ですが、東京の23区と市部で大きく変わりますし、築年数や物件の所有形態も影響します。
利回り相場は23区が4~6%、市部が5~7%ほどで、市部のほうが高いです。また同じ地域でも、築年数が古いほど利回りが高い傾向にあります。
さらに物件規模によっても異なり、区分マンションよりも1棟マンションのほうが利回りは高いといわれています。

東京のマンション投資の理想的な利回り

マンション投資の理想的な利回りは、投資金額をどのくらいの期間で回収したいかが関わってきます。
例えば、1年で5%の投資金額を回収できたとすると満額に到達するまで20年以上かかる計算です。
マンション投資は長期間にわたるため、建物の修繕やリフォーム、設備の導入など想定外の支出が発生します。
しかし、前節で紹介した利回り相場や投資サイトで公開されている利回りは、毎年かかる支出が反映されておらず、実質的な利回りとはいえません。
そのため、相場の利回りに対して、毎年の支出や将来のリスクに備えた費用を考慮する必要があります。
自分が目指す投資金額の回収期間と費用の見積もりを明確にして、実質的な利回りを考えるようにしましょう。

東京のマンション投資の利回り最低ラインはどのくらい?

マンション投資の相場の最低ラインは一概にいえませんが、利回りの相場を下回ることは避けたほうがよいでしょう。
前節で説明した通り、低利回りになるほど投資金額の回収期間が長くなります。
例えば、回収まで30年以上かかることになると将来の予測が難しいです。
将来のリスクとして、地域人口や賃貸需要の減少、競合の出現、建物の老朽化、地震や火災による損害などが考えられますが、運用期間が長くなるほど状況が変わりやすくなります。
特に、築年数が古い物件や東京の市部の物件は、利回りが高いかわりにリスクも増加します。
また、入居者がつかずに収入がなくてもしばらく運用できる資金も必要です。

利回りとは?

ここからは、利回りについておさらいしていきしょう。
利回りは、購入した物件がどれくらいの収益を見込めるのかを表し、購入価格に対する年間家賃収入の割合で表します。
ここまで紹介した利回りは家賃収入だけを考慮したものですが、実際には初期費用や年間の運用費用がかかり、手元に残る金額を表しているとはいえません。
利回りは用途によって計算方法が変わり、大きく3種類に分けられます。
それぞれの利回りの違いを見ていきましょう。

表面利回り

表面利回り(グロス利回り)は、物件価格に対してどのくらいの年間収入が得られるかを表す収益の割合で、以下の計算式で算出します。
表面利回り(%)=現在の年間家賃収入÷物件価格(税込)×100
年間家賃収入は現在の入居率を元にしており、金額が高くなるほど表面利回りも大きくなります。
ただし、初期費用や運用にかかる費用は含まれておらず、実際の収入を表すわけではないので注意しましょう。
簡単に算出できるため、投資サイトや不動産業者が提示する利回りは表面利回りであることが多いです。
あくまでも、物件の価値を判断するときの参考程度に留めておきましょう。

想定利回り

想定利回りは、表面利回りと違って常に満室の状態を想定した収益の割合を表し、以下の計算式で算出します。
想定利回り(%)=満室時の年間家賃収入÷物件購入価格(税込)×100
1棟マンションの場合は全部屋が入居中で、区分マンションの場合は常に入居中の状態を想定します。
想定される最大の家賃収入で算出されるため、表面利回りよりも高くなります。
未完成の新築マンションは入居者がおらず現在の入居率が出せないため、広告には想定利回りが利用されることが多いです。
想定利回りも実際の収入とはかけ離れるため、物件を比較するときの参考に留めておきましょう。

実質利回り

実質利回り(NOI利回り)は物件購入時や運用時にかかる費用を考慮した収益の割合を表し、以下の計算式で算出します。
実質利回り(%)=(年間家賃収入-年間運用費)÷(物件購入価格(税込)+その他購入にかかる費用)
年間家賃収入から物件購入にかかる費用や運用にかかる費用を差し引くため、現実に即した実質的な収益がわかります。
ただし、買い主によって融資の返済額、リフォーム実施の有無などが変わり、かかる費用も定まりません。
そのため、実質利回りは物件詳細を見て自分で計算したほうがよいでしょう。

利回りの計算方法

利回りの計算式を紹介しましたが、想像しやすいように実際の数値を当てはめて見てみましょう。
例えば、次のような物件を考えてみます。
物件種別:区分マンション(1戸)
物件購入価格:950万円、賃料:7万円、入居率:85%、年間諸経費:25万円、購入諸経費:100万円
表面利回り=7万円×0.85×12ヵ月÷950万円×100=7.51%
想定利回り=7万円×1.00×12ヵ月÷950万円×100=8.84%
実質利回り=(7万円×0.85×12ヵ月-25万円)÷(950万円+100万円)×100=4.42%
計算結果から、各利回りに差が出ることがわかるかと思います。
実質利回りは収入を考えるうえで表面利回りよりも重要ですが、毎回計算するのは非常に手間です。
投資サイトなどで利回りを見たら費用を意識し、実質利回りは下がるものだと考えておきましょう。

まとめ

この記事では、東京のマンション投資の参考にできる利回りの相場感を紹介してきました。
東京のマンション投資の利回りの相場はおよそ4~9%で、都心に近いほど低く、市部のほうが高くなる傾向があります。
ただし、実際の運用では運用にかかる費用や将来のリスクもあり、利回り相場の数字通りにはなりません。
マンション投資をはじめるときは、利回り相場は参考程度にとどめて実質利回りを算出し、きちんと利益が確保できるように長期的な計画を練るようにしましょう。