2023.12.01UP マンション経営にかかる経費はどのくらい?
減価償却費なども解説!

マンションを経営するにあたって、毎年さまざまな必要経費がかかります。
しかし、この必要経費のことを知らないと、余計な税金を支払うことになってしまいます。
この記事ではマンション経営にかかる経費とはどのようなものか。また、節税のポイントも含めて詳しく解説します。

マンション経営で経費にできる項目

マンション経営では、かかった費用を経費として計上することができます。
その経費とは、「マンション経営において収益を得るために要した費用」のみです。

経費として計上できる項目は以下の通りです。
・固定資産税や火災保険料など
・マンションの減価償却費
・修繕費
・入居者募集費用
・ローンの利息
・管理委託費や仲介手数料
・税理士報酬や司法書士報酬
・確定申告と給与
・その他の経費
それでは、これらの項目について解説していきましょう。

固定資産税や火災保険料など

不動産の取得で生じる税金や所有する不動産が加入する保険の保険料は経費として計上できます。
不動産取得で生じる税金は、
・固定資産税
・都市計画税
・事業税
などがあげられますが、「所得税」「住民税」などは経費に含まれないものもあるので注意しましょう。

不動産の加入保険は、
・火災保険
・地震保険
などがあげられますが、年度内に支払ったものが対象ですので注意しましょう。

マンションの減価償却費

マンションの減価償却費が最も重要な項目の一つです。
減価償却費とは固定資産の価値の低下を事前に考え、取得費用を定められた期間で分割し毎年一定額を
経費計上することです。
また、毎年同じ金額の費用となるので、定額法とも呼ばれています。
ちなみに、定められた期間とは固定資産の法的耐用年数のことを言い、木造の建物は22年、鉄筋コンクリート造・
鉄筋鉄骨コンクリート造なら47年などと決まっていますので、確認することをおすすめします。

修繕費

建物の状態維持や設備などの劣化を補うために支払ったものを修繕費といい、必要経費として計上できます。
・エアコンや給湯器などの設備交換
・建物や設備の修理費用
・入居者が退去した後、修復するための工事費用
これらが修繕費であり、いずれも経費として計上できます。
ケースによっては経費にできるのか変わってくる場合もありますので、詳しくは、税務署や税理士などに
相談することが望ましいでしょう。

入居者募集費用

入居者募集を行なった不動産会社へ広告の宣伝費や仲介手数料などを支払いますが、この費用を入居者募集費用として
経費計上できます。
これらは、マンション経営をするにあたって開始直後や空室が発生した時に入居者を募集する必要があり、
また、マンション経営を継続するためにも必要な出費となるからです。
ただし、管理会社に委託している場合は管理会社が行う広告宣伝なので、オーナーであっても経費計上はできないことは
覚えておきましょう。

ローンの利息

不動産投資用としてローンを金融機関で組んでいる場合、ローンの利息が発生します。
この利息が経費となります。
ただし、利息は経費となりますが、元本返済部分は経費にはならないので注意してください。
借りたお金が収入として課税されないのと同じく、返したお金も経費として節税はできないという訳からです。
明細書など正式な書類を確認し、また記録をすることもおすすめします。

管理委託費や仲介手数料

管理委託費や仲介手数料も経費として計上できます。
・管理委託費について
 マンション経営において、管理会社に管理を委託することがほとんどです。
 そのため、委託料が発生しますが経費として該当しますので計上しましょう。
・仲介手数料について
 マンション経営では、不動産会社に入居者募集を任せるのが一般的です。
 入居者募集のために不動産会社に支払った仲介手数料は経費として計上できます。
 また、不動産会社が受け取れる手数料の上限は宅建業法により賃料の1ヶ月分と決められています。

税理士報酬や司法書士報酬

税理士や司法書士に依頼料として報酬が発生します。これが、経費となります。
・税理士報酬について
 マンション経営のために税務関係や確定申告を税理士に依頼した場合、支払う報酬は経費に含まれます。
・司法書士報酬について
 マンション購入時、登記手続きを司法書士に依頼するのが一般的です。
 手続きの印紙に必要な費用の他、依頼料として支払われる費用も経費となります。

確定申告と給与

マンション経営者が青色申告をしている場合、そのマンションの経営を手伝ってくれる親族に支払う給料は
「青色申告専業従者給与」として経費にすることができます。
ただし、青色申告専従者として認められるためには、細かい規定があります。
対象になる条件には部屋数などもあげられ、また、家族全員に配分できるわけではありません。
マンションを選ぶ前にリサーチしておくことが必要でしょう。

その他の経費

上記以外にも経費として計上できる項目があります。
・接待交際費:マンション経営の関係者や不動産投資に関する集まりでの飲食代、祝義・香典など。
・消耗品費:マンション経営に必要な消耗品(カメラ・机・椅子など)の購入代金で1個あたり10万円以下のもの。
・事務用品費:コピー用紙、プリンターのインク、伝票類、筆記用具、ノートなど。
・通信費:マンション経営関係で検索した際のインターネット料金、関係会社との電話連絡で使う通話料金など。
・新聞書籍費:マンション経営に関する書籍、雑誌、新聞など。
・交通費:物件の下見やマンション経営に関するセミナーなどの移動に支払った交通費やガソリン代。

マンション経営で節税をする際のポイント

マンション経営で節税をする際のポイントは3つです。
①領収書の保管と管理の徹底
②確定申告は青色申告とする
③法人化をする
これらについて詳しく解説しましょう。

領収書の保管と管理の徹底

基本的に、確定申告時に経費に関する領収書や帳簿の提出は不要ですが、保存義務があります。
・領収書などの書類は5年間
・帳簿は7年間
確定申告に不審な点があり、税務調査があった場合にこれらの提出が必要になりますので、きちんと保存しておきましょう。
また、領収書の紛失や領収書がない費用などは、支払った事実があれば必要経費として計上できますが金額がわかるように
日付、金額、支払い先などは記録しておくことをおすすめします。

確定申告は青色申告する

不動産所得の確定申告を行う場合には、「白色申告」と「青色申告」がありますが、節税効果が高いのは「青色申告」です。

青色申告のメリットは3つ。
①最大で65万円の控除が可能
②個人事業主で最長3年間赤字を翌年以降に繰り越せる
③家族に支払った給与を青色事業専従者給与として経費計上できる
ただし、最大65万円控除を受けるには5棟または10部屋以上を所有していることが条件となりますので注意してください。

法人化をする

個人事業主としてマンション経営を行うよりも法人化した方が最大税率が下がります。
つまり、法人化することで税金が下がる可能性があるのです。
一定額以上の所得を得られるようになった時に法人化にすると所得税より法人税の方が安くなるためです。
ただし、法人化にするには会社を設立するための条件や、費用や手間などのデメリットもありますので、注意が必要でしょう。

まとめ

マンション経営で経費にできる項目をあげましたが、費用のほとんどが経費として計上することが可能です。
また、収益をあげるためには節税は重要なポイントですが、特に青色申告は節税効果が高いので選択することを
おすすめします。
経費をしっかり把握し、節税効果を最大限に生かすことがマンション経営を成功させる秘訣ではないでしょうか。