2023.11.24UP 賃貸マンションの利回りとは?
分譲の場合や計算方法なども解説!

今回は賃貸マンション・分譲マンションの違いや不動産投資の利回りの計算方法について詳しく解説していきます。
「不動産投資に興味ある」
「今住んでるマンションを賃貸に出したい」
この記事を読んでいるあなたは、このような考えはありませんか?
最後まで目を通すことで不動産投資の理解が深まり、実際に投資を始めるときのイメージがしやすくなると思います。

賃貸マンションとは?

賃貸マンションとはその名の通り、賃貸として貸し出しているマンションのことです。
一般的にオーナー(大家さん)又は、管理業務委託を結んでいる管理会社が、不動産会社に客付けをお願いし、
不動産会社が入居者を探します。
そして入居者が見つかれば不動産会社がオーナー(大家さん)と入居者との間で賃貸借契約を結び、
部屋を入居者に貸し出します。
また、賃貸マンションの貸し出しでサブリース(転貸借)契約というものがあります。
サブリース契約はオーナー(大家さん)の物件を不動産会社が一括借り上げを行い、不動産会社が貸主となって
契約を結ぶ形態です。

分譲マンションとの違い

上記では賃貸マンションについて解説しました。
分譲マンションと賃貸マンションの違いは結論から言うと、投資目的か自ら居住するマンションかということになります。
分譲マンションのように区分所有のある建物を購入し、専有部分(部屋)を所有している人のことを区分所有者と言います。
賃貸マンションに比べて、分譲マンションは自己所有目的で購入する人が多いため、設備や共用施設が充実していることが
多い傾向にあります。

また、部屋の所有者はマンション規約の範囲内でリフォームが可能です。
賃貸マンションの場合、自己所有の物件ではないため、原則として入居者のリフォームはできません。
例えば、インターネット回線の工事も必ずオーナーの許可を取る必要があります。
許可を取らず勝手に工事やリフォームをした場合、退去時に原状回復義務として修繕費が請求される場合があります。

分譲と賃貸マンションでは発生する費用が異なります。
分譲マンション:購入時に発生する費用(住宅ローン関係・修繕積立基金・印紙税・登記費用や不動産所得税など)
賃貸マンション:賃貸借時に発生する費用(敷金・礼金・一時契約金・仲介手数料・初回保証料・鍵交換費用など)

継続的な費用について、分譲マンションでは住宅ローンの支払いに終わりがあることで、賃貸マンションは入居している限り
家賃が発生し続けるのが大きな違いです。

賃貸マンションの平均利回り

賃貸マンションの平均利回りはどのくらいでしょうか?
物件の条件により相場が大きく異なるので、一概に東京都では平均利回り〇%と断言することはできません。
利回りは、エリア・築年数・物件種別によって相場が異なります。
実際に東京23区で築年数10年未満の築浅物件では利回りが4.34%で、築20年以上の物件では利回り6.66%などの
データも出ています。
仙台市では築10年未満の利回りが4.18%で、築20年以上の利回りは12.32%です。
このことから、利回りには築年数やエリア等の条件によって大きく乖離があることがわかります。

賃貸マンションと分譲マンションで利回りは変わる?

賃貸マンション(区分マンション)は投資目的で購入する物件です。一方、分譲マンションとは住居としての利用を考え、
購入する物件です。
利回りに関して、分譲マンションだから高いといったようなことはなく、利回りは物件の条件(エリア・築年数など)によって
変わってきます。

不動産投資に関して大切なことは、いかに空室状況を減らし、収益を継続的に上げるかということです。
賃貸マンションか自己所有の分譲マンションで投資をする場合、利益率を考えます。
自己所有の分譲マンションで例を挙げると、共用部が豪華であったり、自分にとって通勤しやすい立地であっても、
間取りや立地、通勤状況も人によって好みが異なるため空室のリスクが懸念されます。そのようなリスクを見極めて
投資することが大切です。

利回りとは?

そもそも利回りとはどういう意味なのでしょうか。
不動産投資用のポータルサイトに利回り〇%という記載があります。
利回りとは、わかりやすく説明すると不動産の販売価格に対して一年間の家賃収入が〇%という意味です。
利回りは物件の収益性を見るために必要な一つの指標になります。
その物件でどのくらい収益があるのか、どのくらいで投資した資金を回収できるのかが分かるようになるので、
不動産投資を考える人には必要な知識です。

ただし、利回りといっても「表面利回り」「想定利回り」「実質利回り」などがあります。
ここからこれらの利回りについて解説していきます。

表面利回り

表面利回りはグロス利回りとも呼ばれ、年間の家賃収入を物件価格で計算した指標になります。
この表面利回りは、シンプルに年間の家賃収入を物件購入価格で割ったものです。
ただし、実際の不動産投資では不動産仲介手数料や登記費用などの初期コストやクリーニング費用や
固定資産税といったランニングコストがかかってきます。

初期コストやランニングコストを加えて正確な収入の数字を出すものを「実質利回り」といいます。
実質利回りについては後述します。
この為、表面利回りは投資物件を決める際の最初の指標とされています。
表面利回りの対象物件がどの程度収益性があるのか把握できますが、算出される利回りはあくまで物件購入時点までの
一年分となっていますので注意が必要です。

想定利回り

「表面利回り」を「想定利回り」と呼んでいる場合もありますが、想定利回りとはマンションの利回りを満室状態で
計算した指標になります。
計算方法としては、満室状態の一年分の家賃収入を販売価格で割ったものになります。
不動産投資用のポータルサイトでは、販売価格と一緒に想定利回りが算出されていることが多いです。
そのような表示は満室前提での目安になるので、実際に経営を始めると利回りが下回ることが多いため、
あくまで参考程度にしましょう。

実質利回り

実質利回りとは「ネット利回り」ともいわれ、年間の家賃収入に必要経費を引いた後、物件価格に購入時の初期費用を
足したもので割った数字です。
実質利回りは不動産購入時の初期コストやランニングコストなども考慮しているため、表面利回りに比べ現実に近い
数字です。
表面利回りをみて数字が高くても、実質利回りでみると数字が大きく下回る場合もあるので注意が必要です。

そして、差し引かれる必要経費には主に管理費・固定資産税・水道光熱費・火災保険・修繕費や空室の損失も入れた数字で
計算することで、より現実的な数字を出すことが出来ます。
購入時の初期費用には仲介手数料・不動産取得税・印紙税・登記費用など物件を購入するために必要だった費用を
全て入れます。
このような実質利回りを理解することで、より正確な収益性を確認することが出来るでしょう。

ここまでで、利回りを把握することは不動産投資で収益を出すことに欠かせないことだとお分かりいただけたと思います。
次に各利回りの計算方法を説明します。

賃貸マンションの利回り計算方法

表面利回り・想定利回り・実質利回りそれぞれの計算方法は以下の通りです。
2,400万円の物件価格で家賃5万円、4部屋ある場合の物件で計算します。

【表面利回り】現状の年間家賃収入÷物件価格×100
空室が1部屋ある状態の家賃年収は、5万円×3部屋×12ヵ月=180万円となります。
180万円(現状の年間家賃収入)÷2400万円(物件価格)×100=7.5% 
1部屋空室の場合の表面利回りは7.5%になります。

【想定利回り】満室時の年間家賃収入÷物件価格×100
満室状態なので家賃年収は5万円×4部屋=12ヵ月=240万円となります。
240万円(満室時の年間家賃収入)÷2400万円(物件価格)×100=10% 想定利回りは10%になります。

【実質利回り】(年間家賃収入₋年間経費)÷(購入価格+リフォーム代などの初期コスト)×100
空室が1部屋ある状態で家賃年収は5万円×3部屋×12ヵ月=180万円
管理費や固定資産税のかかる年間経費を40万円・初期コストは400万円として計算すると
(年間家賃収入180万円-年間経費40万円)÷(購入価格2400万円+初期コスト400万円)×100=5% 
実質利回りは5%となります。

まとめ

いかがだったでしょうか?
この記事では賃貸・分譲マンションの違いから利回りの種類、計算方法について解説しました。
不動産投資をする上で利回りについてお分かりいただけたはずです。
特に重要なのが年間経費や初期コストを含めて算出される実質利回りです。
ただしあくまで利回りは物件に投資する指標の一つに過ぎません。
利回りのほかにも家賃相場や周りの環境、物件の状態も確認しましょう。
不動産投資は一つの指標に限らず広い視点で見ることが大切になってきます。