2023.11.17UP 不動産投資の利回りとは?
相場の目安や計算方法についてなど解説!

この記事では不動産投資における利回りについて、これから不動産投資を始める方にも分かるように解説します。
不動産投資において一番重要な指標は利回りです。
利回りはかけた金額に対して1年間でどれだけの利益が出たのかを見る指標ですが、1種類ではありません。
利回りの種類や計算方法、利回り以外に重視すべきことも解説しています。

皆様の不動産投資のはじめの一歩になれる内容となっていますので、是非ご覧ください。

不動産投資の利回りとは?

不動産投資における利回りとは、物件購入金額に対して、1年間でどれだけ利益が出たのかを計算した割合で、
利回り〇〇%と表記されます。
投資金額を回収できるスピードがわかる指標であるため、物件選びの判断材料の1つとして使用します。
例えば、利回り20%だと購入金額に対して5年で投資金額を回収できますが、
10%だと回収に10年かかる計算になります。
利回りを理解することで、投資すべき物件かどうかを判断することができるようになります。

表面利回りと実質利回り

利回りには大きく分けて「表面利回り」と「実質利回り」の2種類の計算方法があります。
実際に投資物件を決める際にはこの2つの利回りの確認が重要です。
以下でこの2つの利回りの違いや計算方法を、これから不動産投資を始めたい方でも分かりやすく解説します。

表面利回り

表面利回りとは、物件購入にかかる費用を考慮せず、単純に物件購入価格と1年間の家賃で割って計算します。
物件価格と家賃が分かればすぐに計算できることが特徴です。

投資物件を探す際はインターネットで検索することが多いと思いますが、物件情報ページには物件価格と家賃の記載しか
ない物件も多く掲載されています。
そのような場合には、まずは物件価格と家賃のみで計算できる表面利回りを確認することで期待する利回りが確保できる
物件か確認することができます。
表面利回りは数ある物件情報の中から候補物件の絞り込みを行う際に使用すると効果的です。

実質利回り

実質利回りとは表面利回りの情報に加えて、年間諸費用(購入時の諸費用や固定資産税、リフォーム費用、火災保険料など)を考慮して計算します。
実質利回りでは諸費用も考慮して計算を行うため、1年間の実際の手取り金額を計算することができます。
実質利回りを求める際にはより詳しい物件の情報が必要となるため、不動産会社への問い合わせも必要になる
場合もあります。

不動産会社に問い合わせて情報を取得する時間と労力もかかるため、まずは表面利回りを確認し、絞り込んだ候補物件の
中から実際に投資を行う物件を決める際に実質利回りを確認すると効果的です。

実質利回りの方が重要

実質利回りと表面利回りを比較すると、必ず実質利回りが低くなります。
実質利回りは実際の1年間の家賃収入を表すため、実質利回りを確認することが重要です。
物件によっては表面利回りとの乖離が大きくなるため、注意が必要です。

例えば、戸建に投資する場合、年間諸費用は固定資産税や火災保険料だけで済みますが、区分所有マンションに投資する
場合は特に注意が必要です。
区分所有マンションでは、上記年間諸費用の他に月々の管理費や修繕積立金が発生するためです。
実際に投資を行う際には、戸建てなのかマンションなのかによっても利回りが異なる可能性があるため、実質利回りを
よく確認し、物件を決定する必要があります。

不動産投資の利回り相場とは?

不動産投資の利回り相場は全国一律というわけではありません。
物件が所在する地域や物件のタイプによってもばらつきがあります。
ここでは、これから投資を始める方でも分かるように首都圏とその他の地域の利回りデータをご紹介します。

※参照資料「一般財団法人 日本不動産研究所 第48回不動産投資家調査」
https://www.reinet.or.jp/pdf/REIS/publication_data48th.pdf

首都圏の利回り相場

東京の城南地区(皇居の南側のエリア)ではワンルームタイプの利回りが3.8%、ファミリータイプの利回りが
3.9%となっています。
また、横浜ではワンルームタイプの利回りが4.5%、ファミリータイプの利回りが4.4%となっており、東京の城南地区の方が
横浜よりも1%以上も利回りが低い結果となっています。
これは都心により近い物件の方が入居者が退去しても次の入居者が早く見つかるため、利回りが低くても投資エリアとして
人気が高いことを表しています。

各地方の利回り相場

各地方では札幌がワンルームタイプの利回りが5%、ファミリータイプの利回りが5.2%。
仙台はワンルームタイプの利回りが5.1%、ファミリータイプの利回りが5.2%。
名古屋はワンルームタイプの利回りが4.6%、ファミリータイプの利回りが4.7%。
大阪はワンルームタイプの利回りが4.4%、ファミリータイプの利回りが4.4%。
広島はワンルームタイプの利回りが5.2%、ファミリータイプの利回りが5.3%。
福岡はワンルームタイプの利回りが4.7%、ファミリータイプの利回りが4.7%。

となっており、大都市になるにつれて利回りが低下する傾向があります。

不動産投資の利回り計算方法

ここでは先ほど紹介した、表面利回りと実質利回りの計算方法をご紹介します。

表面利回りは物件価格と家賃が分かれば計算することができ、以下のように求められます。
表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価値×100
実質利回りは表面利回りの情報に加えて年間諸費用を考慮し、以下のように求められます。
実質利回り(%)=(年間賃貸収入-年間諸費用)÷(物件価格+購入時諸経費)×100

実質利回りは、年間にかかる諸費用も考慮して計算するため、実際の1年間の収入を計算することができます。
また、表面利回りは同じでもマンションと戸建のように物件種別が違えば、月々の諸費用も変わってくるため、
実質利回りも異なります。

不動産投資で利回り以外に重視すべきこと

不動産投資において利回りは重要ですが、利回りだけを見ていてはいけません。
不動産投資では想定外のトラブルも起こり得ますが、事前に対処することでトラブルを未然に防ぐこともできます。
ここでは、利回り以外に特に注意すべき情報ご紹介します。

立地条件や入居率

不動産投資を考える際には居住用・商業用ともに立地条件は最重要項目です。
都市部では駅からの徒歩3分の物件と徒歩20分の物件では入居希望者の数も大きく異なります。
車が必須の地域では駅からの距離はそこまで影響しないこともあるので、地域に併せて物件選択をする必要があります。

また、物件価格が割安でも入居率が低い物件も要注意です。
入居率は物件全戸数に対する実際の入居数から求めることができます。
例えば、全8室のハイツの場合、6室入居されていれば入居率は75%となります。
入居率が低いということは需要が低いということになりますので、将来的に利回りの悪化が想定されます。

築年数

築年数も必ず確認が必要です。
築年数が古いということは、購入後リフォームが必要な部分が多い可能性がありますので、注意が必要です。
また、金融機関から融資を受けて購入を検討する場合、築年数が古すぎると投資用の融資が受けられない場合もあります。
ですが、築年数の古い物件は敬遠する不動産投資家もいるため、高利回りを狙える物件でもあります。
例えば、ペットと一緒に生活できるようにキャットウォークを設置したり、ペット用のフローリングを用いたリフォームを
することで、付加価値の高い、高利回り物件に生まれ変わることもあります。

耐震基準

地震の多い日本では、耐震基準を気にする入居者も大勢います。
耐震基準は1981(昭和56)年6月1日に大きな改正がおこなわれています。
改正以降に建築が開始された物件は新耐震基準、それ以前は旧耐震基準と表現されます。
新耐震基準か否かで入居希望にも影響する場合もあるため、投資物件を選択する際には確認が必要です。
旧耐震基準でも耐震補強を行うことで耐震強度を上げることも可能ですが、補強工事に費用もかかるため、
できれば新耐震基準の物件を選ぶことをおすすめします。

まとめ

この記事では不動産投資における利回りの考え方や、種類の違い、計算方法を解説しました。
また、利回りの地域間による違いや利回り以外に重視すべきことも記載いたしました。
これから不動産投資を始める方もはじめの一歩として見ていただける内容になったと思いますので、
ぜひ参考にしてください!